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不況下、リサイクルで生きる

カリフォルニア州の路上で、空き缶を収集しながら生計を立てている人がいる。マーテイン・ピッグさんだ。砂漠をねぐらとし、生活保護も受けない自立した暮らしである。同州一のゴミのないハイウエーに、パトロールの警官からも支援されている。

カリフォルニア・アリゾナ州境にあるビダル・ジャンクション。コンビニ前に、ピッグさんの自転車とトレイラーはあった。小さなトレイラーには、空き缶やペットボトルの入った袋が積まれている。

「空き缶やペットボトルを集める」暮らしを始めて15か月。ピッグさんの通常のルートは、コロラド川から西に62号線、ビダル・ジャンクションからニイードルへの95号線、ニイードルからバーストーまでの66号線である。終日作業をしていると言う。

トレイラーいっぱい集めると、ビダル・ジャンクションに戻ってくる。10日かかるという。その後は、カリフォルニア交通局の職員の車に乗せてもらい、90キロ離れたブライスまで売りにいく。300〜400ドルになる。単純計算では、1か月に約千ドルの収入だ。その内、毎月テネシー州にいるお母さんに、いくらか仕送りをしている。

ピッグさんは、この暮らしを始める前、季節労働者として各地を転々としていたが、時間給は3ドルから5ドル。米国では最低賃金は州によって、5ドルから8ドルと異なるが、ほとんどの州では、7ドル25セントである。「最低賃金ももらえず、とても暮らしてはいけなかった。何となく、ここへたどり着いてきたよ」。

ピッグさんの相棒は、愛犬のジミー。1年前に動物保護施設からレスキューした。「どこで寝るって?テントの張れるところが、ねぐら」とピッグさんは笑う。彼のテントは、かろうじて一人が横になれるだけの広さだ。

パトロールの警官は、道ばたでの作業も、モハベ砂漠でテントを張ることにも苦情は言わない。ただ、夏場は日中摂氏50度まで気温が上がるゆえに、ピッグさんの体を心配して声をかけてくれるという。

高温だけでなく、砂漠では別の危険が待っている。春から夏にかけて、注意しなければいけないのが、ガラガラ蛇である。

この日、ピッグさんは、右足を包帯でかたく巻いていた。前日に作業をしている最中にガラガラ蛇を見かけ、よけようとして転倒した。幸い蛇は驚き逃げたが、ピッグさんの右足にひびが入った。「交通局の人が、包帯で固定してくれた。2、3日様子を見るよ」と話す。

ピッグさんとジミーのリサイクルチームで、ピッグさんがまわるルートは、カリフォル一番きれいなハイウエーだという。ピッグさんの口から、政府や社会への愚痴はでてこない。ホームレスでありその日暮らしではあるが、州の生活保護も受けず自立しているのだ。

「ハイウエーをリサイクルしている」と笑うピッグさんに、仕事への自負が見られた。

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

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