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メキシコ系季節労働者

 
 メキシコ・アリゾナ州国境から国道95号線を北上。アリゾナには4つの米・メキシコ国境の町があるが、その中の一つサン・ルイスは1930年に国境が開かれた。海抜約30メートル、気温は5月下旬ではや日中40度を超える。サン・ルイスから20キロ北にある人口1万人のサマートンでは夏場はメロン、冬場はレタスと季節労働者で人口は1、5倍に膨れる。労働者のうち、99%がメキシコ人。早朝、バスで国境を越え、1時間かけてやってくる。

 今はカンタロープとよばれるメロンの収穫時。週に7日、午前5時からメロンの収穫が始まる。10ヘクタールはあろうかと思われる畑の中をトラクターが収穫機を引っ張り、その収穫機の左右にあるシュートへ、10人ほどの男性労働者がメロンを拾上げ投げ込んでいく。トラクターが動くにつれ、労働者たちも移動していく。収穫機の内部では、2人の女性を含む数人がメロンを選別、その場で箱に詰めていく。積み上げられた箱は、トラックでクーラーのある倉庫へと運ばれた後、契約されたスーパーへと流れていく。

 実に能率的な手際だ。正午まで、30分間の食事時間、10分間の2回の休憩をはさみ作業は続く。畑横の道路には、労働者たちをメキシコから運んでくるバス、簡易トイレが見られる。

■米国人の優越メンタリテイー

 「いい給料をあげていると思うよ」と言うのは、労働者を雇い入れている収穫会社のアンソニー・ロットさん。ロットさんの仕事は労働者の監督で、特に彼らの健康面に気を遣う。労働者への時給は8ドル。2009年アリゾナ州での最低賃金は7ドル25セントだから、額的には悪くはない。収穫に応じてボーナスも出る。

 しかし、8時ですでに気温は35度を超え、きつい日差しは体にまとわりついてくる。メロンを拾上げる単純作業を「アメリカ人はしない」と、ロットさんは言い切る。まず、アメリカ人にはこの仕事を毎日続ける体力がない。また、「このような作業は、社会的に蔑まれている。ここには黒人やアジア系はあまりいない。よって近い国、メキシコからの労働者の仕事となる。アメリカ人の、特に白人のプライドが許さない」

 「しかし、、、」とロットさんはつけ加える。「ここにはローンで苦しんでいる人はいない。物価の安い自国で十分に生活できる。みじめなメキシコ人がきつい仕事をしていると思っているのは、アメリカ人。自分たちで人種階級を作り、リッチなアメリカ人にはできないと思いこんでいるよう」と話す。

 カメラを向けていると、「メロン」と、ある男性労働者は4個拾上げて手渡してくれる。別の男性からも大きなメロン一つ。彼らは英語が話せず、私はスペイン語は話せないので、詳しいことは聞けなかったが、写真を撮っていても嫌な顔も見せず、屈託のない笑顔を見せてくれた。

 近くで野菜と果物を売っているルデイー・ゴンザレスさんは、米国に住み始めて45年になるという。「もともと、ここは我らの先祖の領土。メキシコ人はよく働くよ。あと2、30年もすれば、ここでのマジョリテイーはメキシコ人になるよ」と得意げに話す。

 統計によると、現在アリゾナでは15歳以下の40%がメキシコ系というから、ゴンザレスさんの言うように、白人マジョリテイの時代は終わりを告げる日も近いかもしれない。

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

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