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米軍無人攻撃機で犠牲になる子供達

 2012年APの米重大ニュースのトップは銃乱射事件。コネティカット州銃乱射事件後の緊急記者会見で、オバマ大統領は20人もの幼い命が奪われたことに「一人の父」として感情をこらえきれず涙をぬぐった。その涙は米国内では共感を呼んだかもしれないが、オバマ大統領が指令を出してきた米軍の無人攻撃機で犠牲となったイスラム圏の子供たちを思うと、複雑な気持ちになる。

 「テロ掃討」という大義名分の下、オバマ政権はパキスタン、アフガニスタン、イエメンなどで無人機による偵察・ミサイル攻撃を行なってきた。無人攻撃機は、オバマ大統領がブッシュ政権から受け継ぎ本格化させた秘密作戦。オバマ氏はソフトな語り口で平和外交を語るが、すでにブッシュ政権時の6倍にも上る攻撃を認可している。

 09年にオバマ氏が大統領に就任した時、「最もオープンで隠し事のない政権になるだろう」と言った。しかし、無人攻撃機でどれほどの民間人が犠牲になったかは明らかにされていない。

 オバマ大統領は無人機攻撃について、「深刻な脅威となる前にテロリストを捕まえることが不可能な場合に限り、法で承認されている」と語り「民間人の犠牲を極力避ける」と強調してきた。しかし、12月の英調査報道機関TBIJのレポートによると、2004年から2012年まで、パキスタンだけで無人偵察機による攻撃は355。その内オバマ政権下では303。死亡者は2600~3404人。その内民間人は473~889人にものぼる。こどもは176人。

 リベラル系非営利団体のブレイブ・ニュー財団は、ビデオ「無人攻撃機の下で生きる」を製作し、危険にさらされて生きる民間人の生活や、巻き添え犠牲になった子供たちを描いている。同ビデオは、スタンフォード・ニューヨーク大学共同の無人攻撃機調査報告書に付随したもの。攻撃の目撃者や負傷者、地元の医師やジャーナリストへのインタビューをもとに作成された同調査書は、「米国を安全にするため」とはいうものの、重要攻撃目標は全攻撃の2%と低く、多くの民間人を巻き添えにするわりには効果はあがっていないと指摘する。

 同時テロ事件以来「イスラムは悪」というのが概ねの世論。無人攻撃機使用に人権擁護団体や反戦グループの抗議運動は見られるが、大きなうねりにはならない。また、無人攻撃機使用には、ほとんどの共和党議員と一部民主党議員が支持している。

 その中で、デニス・クシニッチ下院議員(民主党)とロン・ポール下院議員(共和党)は無人攻撃機使用に反対の姿勢をとってきた。ポール氏は、 攻撃によって多くの罪のない者が殺害されるだけでなく、それが 反米感情を増大させていると指摘。両者は党派をこえて、オバマ政権に情報公開を求める共同決議案を下院司法委員会に提出したが、12月中旬に承認を拒否されている。

 ビデオ「無人攻撃機の下で生きる」

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

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