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食料補助受給者の肥満見直す動き

 太っていることが裕福と思わせる時代があったが、米国では貧困人口の高い州ほど肥満度が高い。現在、国民の7人に1人近くが連邦政府の食料補助プログラムのフードスタンプを受け、その数は増加の一途。太り続ける食料補助受給者の実態を見直そうと、フードスタンプで購入可能な食品を規制しようという動きもでている。

 米農務省によると現在全米で4670万人がフードスタンプを受給。そのコストは昨年で720億ドル(約5兆7千億円)。4年前の300億ドル(2兆4千億円)から増加は著しい。フードスタンプはかつてはクーポンが支給されたが、今は受給者にカードが支給され、毎月一定額がそのカードに振り込まれる。受給額は州によって異なるが、全米平均一カ月約133ドル。

 ギャラップ社の調査では、現在病的肥満の26%を含め太りすぎは国民の約62%。南部ミシシッピーなど貧困州は、肥満人口が高い。そこで、健康志向活動家からフードスタンプ受給者が脂肪・砂糖含有量の多い食品を購入するのを規制すべきという声が上がってきた。

 ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長は、同市のフードスタンプ受給者へのソーダ類などの購入制限法を提案している。同市長はかねてから同市のファーストフード店や映画館などで大サイズのソーダ類などの販売禁止法案を提出し、議論を引き起こしてきた。これには賛成より反対する住民が多いというが、結局13日、同市衛生局は市長の提案を承認した。

 ソーダ類は米国の文化ともいえる。ギャラップ社の世論調査では、48%がソーダ類を毎日飲むという。その量は平均してグラスで2.6杯。ファーストフード店へ行けば、セットでついてくる。マクドナルドやバーガーキングなどでは特大サイズは1.2リットル。ソーダ類を多量に飲むのは体に悪いとわかっていても、無意識の内にスーパーでカゴにいれてしまうソーダ中毒も多い。

 9州でフードスタンプ改革案は審理中。規制を考慮しているのは、ソーダ類だけではない。フロリダ州ではポテトチップス、イリノイ州ではチューイングガム。しかし、どの州も、製菓・飲料製造会社による反発は強く、これらの会社は多額を投じ、規制阻止を州議会議員に働きかけている。
 
 米農務省には、フードスタンプ受給者がどのような食品を購入するか把握する権限はない。また、このフードスタンプには抜け道があり、フードスタンプを売って現金を手にする人もいる。例えば知人にカードを貸して、80ドルの食品購入に50ドルの現金をもらうといった具合だ。その現金は場合によってはアルコールやタバコに消える。

 市民の税金で賄われるフードスタンプで、肥満の基となる物を買うなというが、肥満は国全体の問題。ハンバーガーやフレンチフライをジャンクフードと目の敵にする人もいるが、要は食べ方だろう。コーラもたまに飲むには問題ない。規制だけでは前に進まない。何を食べて、何を飲むのが体にいいのか、当然といえることを知らせる必要があるだろう。とはいえ、「アメリカはフリーカントリー。人に何を食べたらいいか、飲んだらいいか言われたくない。ましてや政府に」という考えの人は多いので、肥満解消は難しいだろう。

 フードスタンプでは、基本的に調理品は買えないが、最近では数州で、ファーストフード店で障害者・高齢者・ホームレスのフードスタンプ使用が許可されている。さらに、ピザ、ハンバーガー、フライドチキンなどのチェーン店は、フードスタンプがもっと使えるように州議会議員に働きかけている。政府補助のプログラムで、肥満になる低所得者たちに加えて、業者たちも太っていきそうである。

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

5 responses to “食料補助受給者の肥満見直す動き”

  1. まさ

    肥満ですか。
    マクレーンさんはあまり悩む必要が無いようで羨ましい限りですが、私もやや小太りの部類に入ります。医者からも少し減量してコレステロール値を下げろとかいろいろ言われますね。
    さて、アメリカでの肥満はかなり深刻な社会問題になっているようですね。
    これもメディアとか企業のご意向がかなり入っているので基本的には解消は難しいだろうと思います。言い方を悪く言えば、国民を散々CMやイベントで炊きつけてジャンクフードを食わせ、その一方でまともに家庭菜園や自給自足をする人たちを法律やら環境問題やらで取り上げる。これも一種の中毒症状まで逝ってそうですから当然体を壊す。まってましたと医療関係の企業がサプリや医薬品、医学機器で儲けを吸い取る。そんな構図ですかね。日本も同様の構図かと思います。ちらっと世界を私の知る限りで見回すと金融と食料と医療を牛耳っている企業グループが世界を牛耳っているように思われますが。
    当然これらのグループには軍事などもこっそり入っていますよね。
    なんかここ数年で大まかな世界の構図がぼんやりと見え隠れしてきたように思われますが、如何でしょう?
    それを考えると今回のアメリカ大統領選挙や、中国全人代、日本の政権交代、韓国、ロシア、フランス、ドイツなど等、波乱が起きそうな時期ですよね。
    先日とある本にオリンピック開催地と世界経済の躍進地域の関連や戦争との関連を書いているのをみました。一理あるなとの感じです。
    次回開催のブラジルはここ数年は好景気に沸くとのこと。次回はどこかな?

  2. まさ

    企業にとって国民は消費者=お客様ではなく、消費者=搾取対象=家畜と同じ発想ですから、求められるものはジャブジャブと与えますし、求められなければ求めるように仕向けるということをします。CMや添加物、有名人芸能人を利用しての洗脳などもそれに入ります。果ては習慣性の物質を混入など今までやられてきた手口です。
    肥満による軍への入隊の問題は、嘘か誠か解りませんが海外での前線では外国の軍隊または民間の軍事会社がその代役として一部担っているとも聞きます。
    更にかなり眉唾ものですが、アメリカ国内の治安制圧部隊も外国の軍が入っており自国民同士での争いで躊躇しないようにとか?
    各言う私もバーガーやフライ物(チップス、フィッシュ)+コーラ、ケーキ、甘いお菓子などは大好きなジャンクフードですけどね。
    さて、大統領選挙後のアメリカはどうなっていくのでしょうか?
    私の知りうる日本での怪しい情報の一部では、密かにドルのデノミとか新札発行による債務のすっ飛ばしなども噂されております。何をされてもドルを使わざるを得ない基軸通貨ドルの強みですね。
    そうそう、リビアやイラクの戦争はドル通貨脱却阻止や地下資源の確保と噂もあります。
    ロムニーさんは確かに経営者としては優秀かもしれませんが、国民全体を考えるというより国家または国際企業中心の明らかに大企業家側に立った考え方の人ですね。共和党だから仕方が無いか。

  3. ともこ

    私は「アメリカの肥満問題とフードスタンプの関係性」で論文を書きたいと考えています。
    もともとは貧困層の健康を考えて作られた制度のはずが、実際には肥満を増やしているのは残念です。またフードスタンプの費用削減も検討されているようですが、それが逆に医療費をを押し上げるという声もたくさん上がっているのを見かけます。フードスタンプを続けてもやめても肥満問題は解決できそうにないような気がしてなりません。

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