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「黒人お断り」南部に残る人種差別

 ミシシッピー州の町クリスタル・スプリングで、あるカップルは結婚式を予定していた教会から「式は行なえない」と告げられた。その理由は「二人は黒人だから」。約50年前、南部で黒人差別州法は撤廃されたが、差別感情はまだくすぶり続けている。
 
 非営利公民権団体の「南部貧民救済法施行機関」などによると、ファースト・バプテスト教会から拒否されたのはチャールズ・ウィルスンさんと妻のティアンドレアさん。7月21日の結婚式の招待状は発送済み、当日の式次第の印刷物もできあがっていた。それを式2日前に、突如スタン・ウェザーフォード牧師から式場を変えろと言われて、二人は驚いたという。

 一部の信徒が黒人カップルが教会を使うことに難色を示し、「もし二人を結婚させれば、投票で牧師をこの教会から追い出すようにする」とウェザーフォード牧師に脅しをかけたという。同教会信徒のほとんどは白人。1883年に設立されて以来黒人の結婚式は行なわれたことがない。同牧師は驚いたものの、一部有力信徒の脅しに屈服。同町の他の教会で二人の結婚式をとりおこなった。「教会内で論争を巻き起こしたくなかった。二人には論争に関係なく、最良の結婚式を挙げてほしかった」というのが牧師の弁。
 
 ウィルソンさん夫婦は、「牧師が困難な立場にいたことは理解するが、彼は自分たちのために立ち上がらなかった」と指摘する。「他の信徒も知っていても、立ち上がってはくれなかった。彼らは自分たちをキリスト教徒と信じているようだが、そうではない」と怒りがおさまらない。

 クリスタル・スプリングは人口5000人の町。サリー・ガーランド町長は、「ほんの一握りの人」が町を代表しているように捉えられるのは心外と、教会側に憤りを表す。これに対し、教会側は今「どんな人種も歓迎」と姿勢を変えている。

 ガーランド町長の言うように、これらは「ほんの一握りの人」だろうか。一般に人々は表面的には人種に寛容だ。だが、1876年から1964年にかけて、南部ではジム・クロウと呼ばれる人種隔離州法が存在した。有色人種に対し公共施設などの利用を白人と分離・制限していた。オバマ氏を大統領に選んだとはいえ、米国では、特に南部では、一部住民の間で差別感情はまだ根強く残っている。

 さらに、狂信的に白人至上主義を掲げる人々もいる。7月初めアラバマ州ウィンフィールドで、「神の選べし教会」は毎年恒例の牧師会議へ参加者を募るチラシを町中に張りだした。そのチラシの「すべての白人キリスト教徒は招待されます」という一文が人種差別と問題となった。主催者側は、「我々はヘイトグループではないが、白人は神が選んだ人種だと信じている」と主張している。

 この「神の選べし教会」は「ヘイトグループではないが」と言うが、白人至上主義を掲げる集団は概ね「ヘイトグループ」と呼ばれる。白人至上主義運動がなくなるには、半世紀はまだまだ短いのかもしれない。

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

15 responses to “「黒人お断り」南部に残る人種差別”

  1. やすひろ

    末子様の記事は、いつもジャーナリストらしく簡明で、いいですね。
    五輪のイギリス、サッカー代表が国歌斉唱せずで話題になっています。イングランド、ウェールズ、スコットランドの混成チームだからです。イギリスの国土は日本の3分の2程度。そこに3つの民族が、そして産業革命以来3つの階級制度が定着されて来た。
    これでは、誰でも差別に敏感になってしまうかも。「半世紀はまだまだ短いのかもしれない」と締め括られていましたが、そうなのでしょうね。バベルの塔が定める歴史枠は2千年単位です。そして5百年は次の二千年期への準備期間。意識が進化するには、最低でも、これぐらいの歳月が必要と・・・神様は判断されたのでしょうね。
    健康ホームページ(無料)には、最新の健康医学情報が満載です。アンチエイジェイングにも最適の情報を30章以上網羅しておりますので、何かお困りの症状を改善されたい時は参考にされてください。効果はばっちりです。

  2. やすひろ

    末子様、HPお読み頂きありがとうございます。

    医師でも治せない「こむら返り対策」は絶対です。私も、幼少時から苦しめられてきたこむら返りを3か月で治しました。今は就寝中に軽く発症しても、寝ながら足を振るだけで治ります。信じられないほど効果があります。
    発酵食品効果も凄いですよ。大股ウォーキング、入浴ストレッチと併用すると血液浄化はかなり促進され、免疫力も劇的にアップされます。通勤時と入浴時に実践するだけですけど、効果は抜群です。
    アメリカでこの種の日常ベースでできる健康法が公開されれば、かなりセンセーショナルになるかもしれないですね。

  3. masa

    またまた、こちらにも書き込みます。
    まずは、アンチエイジングにやすひろさんのHP参考にさせて頂きます。
    さて、人種問題ですか!アメリカも差別は無いなどと言わず差別は有るけど、無くすよう努力してます程度に表明しておけば良いのにね。
    はっきり言って、世界の権力と経済を牛耳っている現段階では白人の選民思想は無くならないと思いますね。ある意味どの国のどの民族(?)も多かれ少なかれ選民思想が見え隠れします。現に日本も日いづる国とか優秀な大和民族などと他国や他民族と一線を画したかのような発想もありますし、お隣韓国や、中国もそうですし、選民思想は民衆をまとめるのに都合の良い考え方だと思います。ましてや肌の色や骨格、容姿に区別が付けやすく育つ環境や受ける印象を差別化しやすい対象を作ればより鮮明な選民思想に陥りがちです。これが白人と黒人の立場が逆でも、同じ様なことが起こり得るのではと思います。人間のあるいは生物の根源的な問題と思いますが、決して差別を肯定しているわけではありませんよ!だからこそ、差別と貧困を無くさなければと言うことなのでしょうが。

  4. masa

    マクレーン 末子さま
    レスありがとうございます。
    解ります解ります!白人内でもあるヒエラルキー!目に見える差別は皆がわかり易くて差別反対を叫ぶのには都合がいいのですが、目に見えない差別は陰湿で根深さをより感じます。
    以前にも書いたのですが、自己主張の異常な強さは弱さの反面だと思いますね。
    まあ、日本に居て日本のメディアやネットを通しての知識しかありませんから、現地で暮らされているマクレーン 末子さんの直に感じているものとはやや違う印象になっているかも知れませんけど。

  5. masa

    まあ、日本もいよいよ住みにくくなってきているようです。
    今日消費税増税法案が参議院を通過しました。
    全く持って国民を愚弄している政治家ばかりです。
    アメリカであれば国民はどのような反応になるのでしょうか?

  6. 大山晃平

     ごぶさたいたしております。パソコンの引っ越しで忙しくついついコメントおろそかにしていました。
     バプテスト教会というのはキリスト教史の中でも最も古いのですが、どうも宗教改革以前のオランダ、スイスその他の地域で純粋に守られて来た教理が、一度米国に渡ると大きく変わってしまった感じです。黒人信徒に教会堂を提供しないなんて、とんでもない事です。やはり白人の差別意識というのは、連綿と続いているようです。私としてはこうした聖書の極めて偏った読み方をする米国の信徒は、もはや信徒とは呼べないと思っています。今度の大統領副大統領候補ロムニー・ライアンも同じで、彼らが当選したらもっとひどくなると思います。

  7. まさ

    横槍失礼します。
    ロムニーさんはモルモン教徒と聞きましたがどうなのでしょう?
    教義自体キリスト教のそれとは違うとも聞きましたがどうなのでしょうか?
    アメリカではモルモン教徒の支持がかなり影響を与えるとも聞きますが。

    白人はという言い方は正しくないのかもしれませんが、根底に選民思想が
    あるような気もします。
    白人の中でもユダヤに関しては特別なものがあるようで触れません。
    世界のタブーのようですから(ーー;)

    同じ様に選民思想が強い人たちが世界には沢山おります。
    中国もその一つかと思いますし、もしかして我々日本人もある意味その傾向が
    在るように思われます。
    ただ、白人のそれとアジアのそれではだいぶ違うような気がしますね。

  8. koyasu

    日本人も差別されて来ましたよね
    日本では平気で勧誘してるくせしてアメリカに渡ったら、ここは白人専用だお前らはブッタでも信じてろ、、という言葉を(ご婦人だよ)投げかけるとんでもないキリスト教宗派が結構あります
    いや黄色人種の教会だと思ったら日本人の悪口非難ばかりの教会もあります
    戦争の火種になりますよ
    幻滅するのが実態です

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