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黒人少年射殺事件で金もうけ

 最近、フロリダ州の黒人少年射殺事件の少年のシルエット射撃用標的が、ネットで販売されていたことがわかった。サイトから商品はすでに外されたが、販売者は「容疑者が無実だと信じる」と商品広告に書いていたという。一方、少年の母は息子を失った最初の「母の日」にあたり、フロリダの銃法を再考するようネット上で訴えている。

 標的は上半身を形どった30センチX45センチ。胸には標準十字線がある。犠牲者のトレイボン・マーティンさんの顏はないものの、パーカーを身につけ、手にはティーの缶。ポケットからお菓子の袋が見える。だれが見ても、事件当時のマーティンさんのいでたちである。

 地元紙クリック・オーランドなどによると、この標的を作って販売したのはバージニア州の販売者というが、特定はされていない。4月22日に銃ブローカーのオークションサイトに商品広告が出され、後にサイト管理者が気づき広告を取り除いた。

 販売者がどれだけの標的を作ったかは明らかではないが、反応は大きく2日間で売り切れたという。標的は10枚セットで8ドル。広告には「トレイボン・マーティン標的」とあり、「明らかに我々はジマーマン容疑者を支持する。悪党を撃った彼の無実を信じる」とある。

 また、地元紙記者が販売者にメールで連絡をとり動機を尋ねたところ、「問題となっている事件だから金もうけしようと思った」という返信があったという。

 この事件は2月26日にサンフォードの住宅街で起こり、当初警察はジョージ・ジマーマン容疑者の正当防衛説を受け入れ逮捕しなかった。しかし、抗議運動が全米で高まるにつれ、世論に押された形で44日後に同容疑者は第2級殺人罪で逮捕された。現在保釈の身である。

 事件当日、標的のシルエットにあるように、マーテインさんは丸腰であった。パーカーのフードをかぶっていたことから、不審者と見なされたとも言われている。よって、パーカーを着ての抗議デモが各地で行われた。その一方、ジマーマン容疑者支持の声もネット上で聞かれ始めた。

 米国では、さまざまな射撃練習用の標的が売られている。スタンドの上に貼付けて使用され、シンプルな厚紙の標的は100枚で30ドル程度。多くの人にとって、射撃練習は娯楽の一種。嫌な、殺したいと思う者を頭に浮かべて弾を打ちこむ人もいるかもしれない。以前射撃練習場で、オサマ・ビン・ラディンの顏写真のついた標的が売られているのを見たことがある。人気のある標的だったようだ。

 地元紙はジマーマン容疑者支持者でさえ「マーティンさんの死は敬意をもって扱われるべき」と、標的に嫌悪感を示していると言っている。また、同容疑者の弁護人は標的販売を「ヘイトを生む行動」と激しく非難している。

 しかし、買った人もいるのだ。売る方も買う方も、死者に敬意を示さず、それどころか、子供を失った家族の気持ちを逆撫でしヘイト感情をあおりたてる。その行動には憤りを覚える。

 マーティンさんの母シィブリーナ・フルトンさんは、母の日にユーチューブビデオで「自分に危害を加えるかもしれない相手に対して先に発砲」を擁護する銃法を再考するよう、議員に働きかけようと訴えている。「今年3万の母が子供を銃暴力で失っている」。彼女のおだやかだが、悲しみをこらえて訴える姿は胸をうつ。

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

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