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米メガ銀行ボイコット広がる

バンク・オブ・アメリカ前で抗議集会 撮影:デイブ・マクレーン

 昨年からの米大手銀行ボイコット運動は、今年になってより広がりを見せている。最近では、サンフランシスコの宗教団体などが大手銀行前で抗議集会を開き、今年10億ドル(約800億円)預金を移すと約束。またカリフォルニアのバークレー市は、大手銀行との契約更新を考慮していると発表している。

 金融危機を引き起こしたウオール街の銀行が救済され、一般市民は救済されることなく不況のあおりを食っている。折角手に入れたマイホームのローンが払えず、住宅差し押さえ処分を受ける人々も少なくない。この不条理に怒った市民が行動を起こしたのが「お金を移しかえよう」運動。預金を、大手銀行から地方銀行や信用金庫などへ移そうとする運動である。

 最近、聖職者団体などで結成する「ニュー・ボトム・ライン」のメンバーは、大手銀行ウェルズ・ファーゴのサンフランシスコ本社前で抗議集会を開き、即座に不当な住宅ローンによる差し押さえを凍結するよう要求した。また、すでに同行の預金を1000万ドル(約8億円)移したと発表した。
 
 この集会は、サンフランシスコ市査定官が同市での住宅差し押さえに関するレポートを発表した後に開かれた。レポートでは、実施された差し押さえの84%が合法かどうか疑問が投げかけられている。

 「ニュー・ボトム・ライン」は、そのウエブサイトでも「我々のお金を移しかえよう」運動を呼びかけてきた。運動を「聖職者団体・地域社会団体・労働組合や個人が銀行利益に挑戦する」と位置づけている。不当な住宅差し押さえや、小企業への融資をしぶるメガ銀行へ挑戦する「99%」のための動きである。

 そのような中、カリフォルニア州バークレー市議会も、思い切った行動に出ている。2004年からの付き合いであるウェルズ・ファーゴとの契約更新を考慮すると発表したのだ。

 ウェルズ・ファーゴは、サブプライムローン危機の立役者。2008年のリーマンショック時にも連邦政府から救済されている。バークレー市議会では、ウェルズ・ファーゴの企業倫理に飽き飽きし、地域社会の利益を重んじる金融機関と取引しようという案が満場一致で可決された。

 同市の預け金は約3億ドル(約240億円)。それだけでなく、支払い取り立て・送金・振替手数料など、この3年間で同市は、ウェルズ・ファーゴに120万ドル(約9600万円)払ってきた。ウェルズ・ファーゴも契約更新に向けて再申請するよう促されてはいるが、他行とのレースに勝つには、地域に根ざした銀行という面を示さなければならない。

 調査コンサルティング会社「ジャベリン戦略」によると、昨年11月から推定で560万人が大手銀行から預金口座を移したという。この内約11%は「お金を移そう」運動に共感したからだという。25%は銀行が課する多くの手数料に不満だからとしている。

 この「お金を移そう」運動は昨年が始まりではない。リベラル系ネット新聞のハフィントン・ポストの創始者アリアナ・ハフィントン氏が3年前に呼びかけている。しかし、その時にはさほど盛り上がらなかった。昨年の「99%運動」で火がついたようだ。

 銀行口座解約は、市民ができるメガ銀行への「住宅危機を起こした責任をとれ」という怒りのメッセージとなる。バークレー市や聖職者団体の巨額な預金解約は、銀行には脅威と映るかもしれない。

 15日には上院銀行委員会が開かれる。それに合わせてリベラル系市民団体ムーブ・オンなどは、各地でメガ銀行前や差し押さえ物件の住宅前で集会を開き、99%は家を守るために立ち上がったというメッセージを送る予定である。

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

4 responses to “米メガ銀行ボイコット広がる”

  1. hatehei666

     大手メガ銀行からの預金の移し変えは良いアイデアだと思います。アリアンナ・ハフィントンさんもそれに加わっているのですね。ハフポストサイトは毎日見ており、多様な意見が載っていて、私のブログでも時々紹介しています。
     それにしてもこうした抗議行動、占拠せよもそうですが、先鋭なのに、日本では全くおとなしくて駄目ですね。
     原発の告発を続けていますが、この頃はコメントも減って、だんだん忘れられてゆくようです。こうも被災地側で一致した抗議行動が起こり得ない事に、無力さを感じてしまいます。

  2. Admin

    hatehei666さん

     99%運動の一環として、この銀行ボイコットが最も盛り上がっています。多くの市民が賛同したという点で。春になって占拠運動が再び盛り上がってくれるのを期待しているのですが、なかなか動きがありません。大統領選と合わせて、これからが時期としてはいいと思うのですが、、、残念です。

  3. masa

    そうですね、日本では戦後の日米安保更改時の内乱に近いデモ以来、デモらしいデモはとんと聞かなくなりました。なにせ何でも平等で競争はいけないそうですから。ある意味戦後教育の賜物なんでしょう。すっかり飼い慣らされた羊の群れですね。
    たまに狼のような人が現れても、牧場主の犬(警察や官僚、マスコミ、etc.)がしっかりマークして追い払うか仕留めますから。
    これほど旨く管理されている牧場も世界では少ないのでは?

  4. Admin

    masaさん

     そうですね。昔は日本でも毎日のようにデモがありましたね。今はおとなしい若者が多いように思えますが。ここでは、政治・社会・宗教と主義主張が激しく、都市部ではしょっちゅう集会・デモをしています。エネルギーはすごいなあと思いますが、こちらから見ればあまり意味のないデモも多いですね。  マクレーン末子

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