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飲酒事故で重傷、バー相手に訴訟

 米国ではいつも誰かが誰かを訴えている。責任をなすりつける訴訟はあとを絶たないが、流石この訴訟内容には驚いた。サウスカロライナ州で飲酒運転で重傷を負った女性が、「事故の原因はバーが酒を売ったから」とバー相手に訴訟を起こしたのだ。

 米ABCニュースによると、この訴訟を起こしたのは、サウスカロライナ州のチェルシー・ヘスさん。サウスカロライナ州では飲酒年齢は21歳以上。当時20歳だった2009年8月、ヘスさんはボーモンにあるバーへ行き酒を飲んだ。午前1時頃車で帰宅途中、路肩の舗装されていない所に車が突っ込んだ。車はコントロールを失い道路脇へと転がりはじめ、ヘスさんは重傷を負い下半身不随となった。

 ヘスさんは、バーでアルコールを注文した時、身分証明書の呈示を求められなかったという。当時20歳では、アルコールを飲むのは違反。またバーは21歳未満にアルコールを提供してはいけない。

 そこで、ヘスさんはバーを訴えることを決定。訴状は「年齢チェックを怠り、アルコールを飲酒年齢未満の者に提供した。原告が酒の消費によって害を受けるかどうかを確認しなかった。よって下半身不随となったのは、バーの怠慢が原因」というもの。

 これだけにおさまらず、ヘスさんはサウスカロライナ州運輸局や、事故現場の道路を統括しているビューフォート郡・ブラフトン町も訴えている。「路肩の状況把握を怠り、原告に危険な状況を作り出した」というのが訴状内容。

 これに対し、運輸局側は事故や怪我は原告の不注意や怠慢で起こったという見方を示している。飲酒運転で理性的に行動できなくなったこと、またスピードをあげての運転で車をコントロールできなくなったことを事故原因に挙げている。

 この女性が事故で下半身不随となったのは不幸だが、酒を飲んだのは自分、それも夜中の飲酒運転に対しての事故責任は自分にある。若くしての半身付随、どこかに怒りをぶつけ、生活費だけでもとりたいという考えがあるのだろうが、命があっただけでももっけの幸いかもしれない。

 この話は2003年のマクドナルド肥満訴訟を思い出させる。ニューヨークのブロンクス区に住む両親が、二人の娘が肥満になったのは、マクドナルドの商品を食べたからと、マクドナルド相手に訴訟を起こした。

 19歳の娘は167センチで122キロ。下の14歳は147センチで77キロ。上の娘は朝食にマックマフィン、夕食はビッグマックミールが通常の食事。下の娘はハッピーミールが好きで週に3、4回マクドナルドで食事をしていた。

 当時マクドナルドは商品のカロリーなどを表示していなかった。その家族はマクドナルドの商品は健康にいいと信じきっていたという。よって娘が肥満になったのは、客に商品のカロリー詳細などを知らせなかったマクドナルドの責任というわけである。

 結局裁判で判事は訴訟を却下した。良識ある判断だろう。今回の事故訴訟も極端な例であり、判事は良識ある判断を下すだろうと思う。ABCニュースの記事コメント欄でも「飲んで運転したのはあんただろう。自己責任をもてよ」というコメントが多く見られる。

 これらのコメントを読むと安心するが、何事にも「私は悪くない」と言い張る風潮もある。自分が物を落とせば「物が落ちた」。電卓の数字をまちがってうてば「電卓がまちがっている」などなど、よく耳にする。他人や物に責任転嫁せず、自己の言行に責任をもてというのは無理難題なのかもしれない。
 

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

4 responses to “飲酒事故で重傷、バー相手に訴訟”

  1. hatehei666

     私もコメントのほうが正当だと思います。真のクリスチャンなら、すぐ自分が悪いと素直に認めます。でも米国は保守派も含めて、随分偏った聖書観を持っているので、あまり好きではありません。それより無宗教の人々の割合がすごく増えて、そうした人々が怒りを他人にぶつけ、その怒りの「スパイラル」になっているようです。そんな訴訟では、弁護士たちが闊歩しているのでしょう。

  2. masa

    こういう人達を通常「ばか」と言うのではないでしょうか?
    相手の粗を探してあわよくば一儲けしようとする連中ばっかりですね。
    まあ、アメリカの戦争紛争をみればさもありなんと言うことでしょうか?

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