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暗い世相に温かい米歳末ストーリー

 ミシガン州の小さな町の大型安売り店で始まった「隠れサンタ」が、ネット上でちょっとした話題となっている。ある女性が匿名で、他人の購入予約システムでの子供用品残金を払ったのを皮切りに、続々と一足早い「サンタ」が登場。州を超えてカリフォルニアにまで飛び火、5000ドル払う人も現れた。

 地元紙「デトロイトニュース」などによると、ミシガン州プレーンフィールド・タウンシップのKマートで、6日、初めの「隠れサンタ」が登場した。30代らしい女性が、米海兵隊予備役が運営する慈善プログラム「子供に玩具を」用に、300ドル相当の玩具を買った後、「レイアウェイ」と呼ばれる購入予約システムのカウンターへ行った。

 カウンターには、約800の購入予約リストがあった。その女性は「見知らぬ人のレイアウェイ残金を払えるか」とスタッフに聞き、数点の商品詳細を見て、子供の玩具3点を選び計500ドル払った。そして、残金伝票に「ハッピー・ホリデイー」と書き込んだ。

 このレイアウェイ・システムは、頭金を払って商品を予約、分割で残金を払う方式である。全額支払い時に商品を受け取れる。Kマートのウエブサイトによると、15ドルか商品の10%を払い、普通は8週間という期間内に残金を分割で払う。利息はかからず、セール価格ででも購入予約可能。もし払い終えることができなければ、頭金は返還され商品は店の棚に戻される。

 このシステムは、クレジットカードが主流となる前にはよく利用された。今クレジットのない低所得者層には好都合だ。加えて、クレジットカードのように、後で払えなく借金地獄に陥る危険性もない。

 地元でニュースが流れると、翌日にはこの女性を「まねて」2000ドルを払いたいという男性も現れた。その翌日には10人の匿名者が「サンタ」に加わった。同店では30件、他のKマート店でも数件レイアウェイ残金が払われた。多くが子供用必需品や玩具だという。

 さらに、この話はミシガン州だけにおさまらず、カリフォルニア州アナハイムでも、同じような「サンタ」が現れている。ある女性は50件のレイアウェイ残金計5000ドルを払ったという。

 Kマート側では、過去にこのシステムで、親戚や友人の残金を払う人はいたが、見知らぬ人は初めてと話している。また、幸運にも残金が払われ、早く商品を手にできた人の中には、シングルマザーで厳しい年の瀬を迎えようとしていた人もいた。

 人口約3万の小さな町のKマートから始まったこの「隠れサンタ」は、コミュニテイーで隣人同士が助け合った時代を彷彿させると地元紙では言う。街頭では、歳末募金活動や慈善プログラムも見られるが、昨今他人への思いやりは一般に薄れていっているようだ。そのような風潮の中、見知らぬ誰かの商品代金を肩代わりしようとする人の善意は救いともいえ、貴重に映るようだ。

マクレーン 末子

ブロッガー。2000年に渡米、現在アリゾナ州に在住・・・続きを読む

2 responses to “暗い世相に温かい米歳末ストーリー”

  1. hatehei666

     12月15日のハフポストサイトでジム・ウロリスという人が、本当のクリスマスとは何かという事を述べた上で、「フォックス・ニュースのクリスマスは消費者中心主義の堅実な促進、富(富者)と権力(支配者)の擁護、金と市場の称賛、そして貧困克服への努力に対するお決まりのけなしと攻撃を歓迎している」(粗訳)と述べています。さらにこのニュースはマリヤのマニフィカット(賛歌=ルカ1:46-55)を「階級闘争」だと呼んでいるといった事を付け足しています。貧しい人々をけなす米保守層が本当に聖書の言っている事を実行しているのか疑問に思います。
     確かにこのミシガン州の「隠れサンタ」は、聖書には出て来ませんが、貧者に対する温かい歳末ストーリーですね。こういう試みは絶対日本の新聞には載りませんから、貴重なルポだと思います。ありがとうございました。

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